金蛇精(糖衣錠)

食品、清涼飲料水など医薬品指定のつかない精力剤が多数ある中で「薬剤師でなければ販売ができない第一類医薬品の精力剤」である金蛇精(きんじゃせい)は、効果が高そうな印象を持ちますよね。

薬だと言われると一気に「効きそう!」と思ってしまう方は多いと思います。

そこで金蛇精の成分はどんなものが含まれているのか、そして配合量は信憑性があるのかを調査してみました!

金蛇精の成分は?

主成分 メチルテストステロン3mg・DL-メチオニン20mg・ルチン水和物20mg・チアミン硝化物(ビタミンB1)3mg・リボフラビン(ビタミンB2)1mg・ニコチン酸アミド30mg・アスコルビン酸(ビタミンC)30mg・タウリン45mg・ニンジン100mg・オウレン50mg・ハンピ末300mg・カシュウ末70mg・インヨウカク末70mg・サンヤク末70mg・ビャクシ末50mg
参考価格 参考価格 7,800円(120錠40回分)・9,800円(180錠45回分)・13,500円(300錠75回分)
販売元 摩耶堂製薬株式会社

金蛇精最大のセールスポイントは「男性ホルモンのメチルテストステロンが配合されていること」です。
メチルテストステロンは病院で処方されることもある医薬品であり、食品や医薬部外品の精力剤には配合することができません。

ホルモン剤であるメチルテストステロン以外には

  • アミノ酸
  • ビタミン類
  • 生薬

が配合のラインナップとなっています。
順番に詳しく見ていきましょう。

メチルテストステロン

飲むことで男性ホルモンを補充可能な成分。男性ホルモンが不足することによる男性機能低下や不妊症に対する治療に用いられることもあるが、病院では注射で投薬することが一般的。
メチルテストステロンを服用することで期待できる効果は精力増強、精子の質や量の改善、ぺニスサイズの増大など。

DL-メチオニン

体内で合成ができない必須アミノ酸の一種。
肝臓や腎臓を健康に保つために欠かせない他、身体の老化を遅らせる働きもある。

ルチン水和物

柑橘フラボノイド配糖体と呼ばれる物質の一つ。タデ科の植物などから抽出する。
炎症を押さえる他、血行を改善する作用が認められている。

チアミン硝化物(ビタミンB1)

糖質の代謝に関わるビタミン。
神経の健康維持にも密接に関わっており、不足すると脚気など神経伝達の異常による疾患の原因となる。

リボフラビン(ビタミンB2)

栄養素全般からエネルギーを作り出す補助をする。
不足すると口内炎や舌炎など、粘膜の異常を起こすことがある。
栄養ドリンクを飲んで尿が黄色くなるのは、ビタミンB2の色が原因。

ニコチン酸アミド

ビタミンB群の一種であり、エネルギー産制に欠かせない成分の一つ。
不足により食欲低下、吐き気、体力低下を起こすことがある。

アスコルビン酸(ビタミンC)

コラーゲンの産制に関わるビタミンであり、皮膚の健康維持に欠かせない。
また、抗酸化作用があり活性酸素の害から体を守る助けとなることで動脈硬化など血管障害を防ぐ。

タウリン

魚介類に多く含まれる成分。
肝機能を高める他、血圧が高い場合に下げる方向に働くなど、身体を正常な方向に導く効果がある。

ニンジン

チョウセンニンジンの根を乾燥させたもの。
身体を温める効果があり、胃腸の不調に効果がある他、体力を高めるのにも用いられる。

オウレン

黄連という植物の塊茎を乾燥させたもの。
胃腸の不調、神経的な疲労に対して処方される。

ハンピ末

マムシの皮を干したもの。反鼻。
疲労回復、強壮効果。

カシュウ末

タデ科ドクツルダミの塊根を干したもの。
便秘症、高脂血症の治療に使われることもあるが、滋養強壮効果も期待できる。

インヨウカク末

漢字では淫羊藿と書き、山羊の淫らにするカク(イカリソウの中国名)という意味。
大脳を興奮させる作用に加えて、陰茎血管を拡張し勃起を促す作用がある。

サンヤク末

ヤマイモの皮を干したもの。
せき止めや下痢止めとしても用いられるが、滋養強壮効果が認められている。

ビャクシ末

ヨロイグサと呼ばれる植物の根を乾燥させたもの。
冷えを解消させる他、中枢を興奮させる作用がある。

直接男性ホルモンを増やすメチルテストステロン以外は

  • 活性酸素を除去するなど身体の老化を防ぐ成分
  • 滋養強壮、疲労回復、体力回復に良い成分
  • 興奮作用、勃起を促す成分

となっていることがわかりました。
EDの原因の一つに「活性酸素」があることがわかっていますので、身体を錆びさせずに老化を防ぐことは若々しい男性力を保つために必要です。

次にこれらの成分量が効果を期待するために妥当なものか検討してみます。

金蛇精の成分量は?

まずメチルテストステロンですが、医療用では「エナルモン」という名前で呼ばれています。
エナルモンは20mg~50mgを症状にあわせて服用することになっており、金蛇精を1日3回飲んでもその量には届きません。

しかしエナルモンを飲むような人は男性ホルモンが病的に低い状態であるため「ちょっと精力が落ちたな」程度の人がメチルテストステロンを20mgも飲むと副作用が起きてしまう可能性があります。

メチルテストステロンの副作用は肝機能異常、脱毛、吐き気などが主なものですが、長期大量服用によりかえって精子が減ったり睾丸が小さくなることもあります。

金蛇精のメチルテストステロン1日量9mgは妥当な量です。
それ以上は副作用の可能性が高まるので、規定量以上の服用は止めましょう。

次にアミノ酸(メチオニン)からビタミン、タウリンにかけてです。

これらは100円前後で売っている栄養ドリンクにも似たような成分が配合されていますが、栄養ドリンクと同じくらいかそれよりも少ない程度の量しか配合されていません。
効果としては「オマケ程度」と考えてください。

生薬成分は治療に用いるよりは少し控えめな量ですが、効果がないとも言えないような量です。
漢方薬は人によって合う、合わないの差が大きいので、個人に合わせて処方するわけではない市販薬では控えめに配合するのが一般的です。

それを考えると金蛇精の生薬量は特別に少ないわけではなく、効果が現れる可能性も十分にあると言えます。

金蛇精の配合量は本当?

ネットで「金蛇精」と調べると「金蛇精 回収」とワードが出てきます。
これは2017年1月兵庫県の調査により、金蛇精の配合成分量が表記よりも少ないことが発覚したため製造販売元に業務停止処分が下され、製品を自主回収したことによるものです。

ごくまれに製造行程に誤りがあったなどの理由から、医薬品の成分量が異なってしまったなどの事例はありますが金蛇精はそれとは違うようです。

同社は主力製品「マヤ金蛇精(カプセル)」「金蛇精(糖衣錠)」について、厚労省の承認よりも有効成分が少ない製品を製造、販売。県による5年に1度の立ち入り調査の際は、正しい量を記した虚偽の製造記録などを示し、事実を隠ぺいしていたという。
10年以上前から同様の製造方法を続けていたとみられる。

つまり「意図的に」成分量を少なくしていたということですね。

公式ホームページでは

「弊社は2015年10月に経営体制を一新し、新会社として再スタートしました。
その際に旧経営下で行っていた対象行為、すなわち一部製品を承認内容と異なる処方で生産し、その記録を正しく残していなかったことを発見しました。」

ミスで成分量が少なくなってしまった…と言わんばかりですが「事実を隠蔽していた」「10年以上前から」と報道されてしまっている以上、信用できませんね。

ただ行政処分を受けた以上現在では表記通りの成分を配合していると考えられます。
その理由は製造販売元の摩耶堂製薬は金蛇精以外にも多くの医薬品を取り扱い、その中には処方薬もあるからです。

一度行政処分を受けながらさらに不正を続け、もしそれが発覚してしまったら今度は行政処分では済みません。
そのような危険を犯してまで、成分量をケチる必要性はないと考えられるからです。

ジェネリック医薬品の大手である大洋薬品工業も2010年に似たような事件を起こしています。

医薬品のガスポートD錠20mgにおいて指定された量に対して誤差が20%を超えていたことがわかり、業務停止命令が下されました。

それから約7年が経ちますが、大洋薬品は業務停止命令前と変わらずジェネリック医薬品のトップクラスの会社として経営を続けています。
もちろんこの事件以降配合量のミスはありません。

参考:【大洋薬品】配合量ミスで、高山工場が約10日間の業務停止へ – 薬事日報

一度業務停止命令になるような事件を起こした以上、信用できないと考える消費者も多いとは思います。
消費者には含有量を確かめることはできないので、信用するかしないかは個人の判断に任せられてしまいます。

金蛇精の精力剤としての評価は?

EDの原因として挙げられるのは

  • 高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病による血管狭窄
  • ストレスやうつによる心因性
  • 加齢やその他多くの原因による体力低下、疲労蓄積
  • 加齢やその他多くの原因による男性ホルモン減少

が主なものです。

EDほどではなくても「精力剤を試してみたい」と考えるような男性の精力低下の原因も、EDの原因同様と考えて差し支えありません。

精力低下の原因が「男性ホルモンの低下」であれば金蛇精は効果を発揮してくれる可能性が高いでしょう。
1日3回毎食後などにしっかり続けていくと1ヶ月ほどで変化が現れるはずです。

しかし生活習慣病やストレスが原因の精力低下は、根本原因を取り除かない限り精力は改善しません。
これはどの精力剤を選んでも言えることなので、金蛇精に限ったことではありません。

意外にも多いのが体力低下、疲労蓄積による精力低下ですが、これはマカやクラチャイダムなど滋養強壮に良い成分重視で配合している精力剤を飲むことで改善することがあります。
本来期待しているのはペニスへの血液流入増加による勃起改善ではありますが、結論として精力が回復するなら文句はありませんね。

金蛇精の滋養強壮成分はそれほど強いものではないので、体力低下や疲労蓄積による精力低下をカバーできるほどではないと考えられます。

つまり「男性ホルモン低下による精力低下には効果が期待できるが、それ以外の原因がある場合にはあま効果がない」という結論になります。

そうは言っても自分の男性ホルモンが減っているのかどうかは病院で検査してみなければわかりません。
「男性ホルモンが低下しているかもしれない」「勃起力や性欲が明らかに落ちている」など気になるのであればまずは1ヶ月だけ飲んでみるのも良いでしょう。

肥満など目に見えてわかる精力低下の原因がある場合には、先にそちらを解消する必要がありますよ。